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どこを削ったってきらめくおおきな金平糖
心臓がここにいることを主張する
お気に入りのダンスホールで膝を抱える
甘い罰の中でこそ人は腹を向ける
公式があるでしょうと告げる
そうじゃなかったらよかったのにねっていみだよ
曲がった道路の先がどこに繋がっているのかとか
冷えきった手を湯に浸したときと似ている
***
言いたいことは何も変わってない、
ことばとその使い方を覚えただけで
口元のあおい絆創膏
を貼っていた昔のこと、
引き出しの段まで思い出せることを思い出したこと
ここにはいない、がある
あの頃みたいにはできてもあの頃には戻れない
今度こそ上手くいく気がしていた
「余裕あるように見えてる?」「ならよかった」
3月の日差しの中でそんなものを抱えてたっていいよ
星が降るみたいにうたってうたって
***
傷がまだ痛いから立ち上がろうって思えるんだよ
あれは1000年に1度の夜だったって
わかったのもまた1000年後だった
お互いにお互いしかいないときじゃ
だめなことってあるから
窓からさした雨が液晶の上に散らばる
虫唾が走るほど綺麗だった
生活が続けられることが苦痛だった
綺麗なおまじないが欲しいのか、
すべてを滅ぼす悪魔が欲しいのか
わからない 理解できない
って言い放たれるって、悲しい、じゃん?
二十の爪を塗る夜に
おまえが、わすれるの、ぼくを
あなたを錠剤にしてまいにち飲みたい
***
わたしだけの大事な酸素
この世には饒舌よりも無言がふさわしいのだから
宛名を書くのは恥ずかしかった
と言った彼の頬の赤みまで
思い出せることを思い出していた
さわるよ、っていって傷口にさわる
風船が空に向けて無限に色とりどりに
死にゆくひとに「死なないで」と言ってしまえるの?
降り落ちる痛みが鋭すぎるから
鈍くなろうとするんだよわたしたち
でもその仕草にさえ彼が手を伸ばしたとしたらもう
救うのが彼なら滅ぼすのも彼がいい
***
あなたはわたしに痛みを与えることを望む?
酔ってない時に思い出したりとか、する?
焼け石に水を打ち続ける
きみのおねがいは聞き終わっちゃったから
手を握ったり転がり落ちたり
嬉しいね幸せだね死にたいね早く
もういなくなった後味の残る
苦しんだ方がいいような気がしてしまう
飼い犬に手を噛まれててください
正解を探さない練習かもね
私の方だけが彼を覚えていた